森: 今日は小倉南区のまちづくりについて伺いたいと思います。着任2年目を迎え、区内各地を回る機会も多いと思いますが、区長として感じられている小倉南区の特徴について教えてください。
下向: 一番に感じたことは、共同体意識が非常に強い地域であるということですね。農村部は特に際立って高いのではないかと感じています。JR日豊本線や北九州モノレールの沿線ではかなり若い世帯も暮していますが、そういう地域においても、やはり、自治会活動を熱心にされている方も多く、南区全域で共同体意識が強いと言えるのではないではないでしょうか。住民の皆様が地域を一生懸命に支えてくれていることがとても印象的でした。
森: 私も2年前から町内会長をしていますが、年間を通じて地域の皆様と一緒に行う事業が多く、活発だなあと感じています。地域活動は時間も手間もかかりますが、そのお蔭で住民同士、顔が見える関係になり、安心できるまちづくりに貢献していると思います。
森: さて、2年後の2017年度中のオープンを目指し、小倉南図書館の設計が進んでいます。4年前、小倉南区選出の12名の全議員や市議会の教育水道委員会として小倉南区に地区図書館を整備するよう意見を取りまとめたことが今回の整備の出発点の1つですので、私も大変関心を持っています。先日、配置レイアウトなどが発表されましたが、今後整備される小倉南図書館の内容についてお尋ねします。
下向: 場所は南区役所北側の公園の隣り、小倉南特別支援学校の南側ということになりました。敷地面積はそれほど広くは取れず、多少の制約はあるのですが、他区の図書館より後発で作るので、先行して作られた図書館の良い所、例えば、障がい者の方への配慮や学習室やセミナー室の十分なスペースの確保などにも力を入れています。また、隣りの公園に向かって1階にオープンスペースを作ったり、3階に屋上テラスを作ったりと工夫も盛り沢山です。さらに、単に本を借りるだけではなく、読書を通じた地域コミュニティの核となると思います。そういう面も含めて図書館を幅広く使っていただきたいと思います。
森: ハード面の内容が分かってきました。これからは使い方、ソフト面でも区民の皆様の声を聞きながら、新しい小倉南区の地区図書館を作り上げていく時期だと思います。例えば、ビジネスマンの皆様が、1日の仕事を終えて夕方から夜にかけて自分のために学び直したり、気分転換をしたりするとか、そういう使い方を考えると開館時間を延長できないかとか、春ヶ丘から若園にかけては障がい者施設も多くありますから、図書館のカフェで障がい者の皆様が作ったものを販売できないかなど、これからは使い方、ソフト面について提案したいと思います。
森: 最後に、住民同士の交流の機会を住民自身が考えて作っていく、住民による主体的なまちづくりについてはどのようにお考えでしょうか。
下向: 夏祭りや敬老行事、体育祭など、校区などで行われている定形の事業は大切です。その一方で、例えば、曽根校区で異年齢や世代間で力を合わせて子どもたちを育成する曽根っ子クラブの活動ですとか、皆様がなさっているダインアウト守恒・徳力のような活動など、住民の方が自分たちで新しく企画、実践していくまちづくりも、これからの地域の活性化にとって重要な役割を果たすものと期待しています。
森: ダインアウトは第2回を10月15日から25日にかけて行う予定で、現在準備を進めています。区長をはじめ、多くの皆様にお越しいただきますと幸いです。本日はありがとうございました。