森: 今回は2020年の東京オリンピックの決定を受けて、7年後のオリンピック出場を目指して挑戦している、近代五種のアスリートの須尭萌絵(すぎょう もえ)さんにお話しを伺います。まず、近代五種との出会いについて教えてください。
須尭: 母が高校生の時に馬術部で馬に乗っていて、私も中学1年生の時に馬に乗り始めました。馬の最初の印象は「かわいい」「早く乗ってみたい」でした。家族や競馬場など、身近な所に良い環境がありました。馬術から近代五種に進むことについては、同じ高校内にフェンシング部があり、高校3年生に進級する時の春に決めました。
森: 近代五種の内容と、この競技の楽しさや難しさを教えください。
須尭: この競技は1日で5種類の種目を1人で行う競技です。5種とはフェンシング・水泳・馬術・コンバインド(射撃とランニングの組み合わせ)の5つです。楽しいのは1つの種目がダメでも挽回できるところでしょうか。難しいのは体力の限界の維持、コンディションをどう整えるか、休憩中に体力をどう回復させるかなどです。
森: 今年9月に開催された近代五種全日本選手権に参加された時の感想はいかがですか。
須尭: まだまだ練習が足りない、自分には全然及ばないと感じました。私は馬が一番できるのに馬ができていませんでした。水泳のタイムが縮まらなかったので東京オリンピックまでに縮めたいと思います。
森: 東京オリンピック招致決定は、私たちにとっても忘れられない瞬間となりましたが、須尭さんは決定の時、どうされていました。
須尭: 私も興奮して寝られませんでした(笑)。決定の瞬間は嬉しくて朝5時半くらいだったでしょうか、ランニングに出ました(笑)。7年後、私は26歳。出場できるように練習したいと思います。
森: 1日のスケジュールなどについて教えてください。
須尭: 早朝から水泳、9時過ぎからは家事と勉強、昼ご飯を終えると、ランニング、フェンシング、合間に晩御飯の準備、時間を見つけて乗馬という感じでしょうか。筋トレも毎日やっています。ダンベルを持って走ったり、小学6年生の妹と腹筋をしたり。あとは大会に出場したり、自衛隊体育学校の合宿に参加したりします。北九州市にはコンバインド以外の全種目の練習環境があり、素晴らしい環境だと思います。
森: がむしゃらに何かできるっていうのは若さの特権ですね。最後に、近代五種に挑戦して良かったことを教えてください。
須尭: 最後まで諦めずに粘ってみること、そこで諦めたら終わりで今の自分はなかったわけで練習はつらいけど、楽しくできています。近代五種のお蔭で馬以外の世界をはじめ、つながりが広がりました。是非、皆さんも応援してください。
森: 若い世代が夢や目標を持てること、オリンピックという最高の舞台を目指す人を地域社会で育てられることは、本当に素晴らしいことだと思います。まずは日本、そして世界で活躍できるよう、大いに期待しています。応援しています。